勤続アレルギー。
終身雇用の常識が崩壊した現在、定年まで勤めあげる事にはむしろ拒否反応さえ出てしまう。この拒否反応を・・・
違います。
金属アレルギーです。
接触した部分に紅斑(こうはん、赤いぶつぶつ)や皮膚の盛り上がり、あるいは水疱を生じる疾患で、激しいかゆみや痛みをともなう場合があります。
金属アレルギー協会HP 「金属アレルギーとは」より抜粋
アレルギーはタンパク質に対し起こるものなので、金属が直接にアレルギーを起こすわけではない。つまり、金属はアレルゲンではない。金属から溶出した金属イオンが、人体が本来持つタンパク質と結合し、アレルゲンとなるタンパク質に変質させる。
Wiki 金属アレルギーのメカニズムより
簡単に言えば特定の金属が触れると出てしまうアレルギー。
やはり永く身に着ける結婚指輪、婚約指輪のときにご相談いただくことが多いです。せっかくのウェディングリングがアレルギーで着けられないなんて、キツイですね。
ではアレルギー持ちの方はどうすればよいのか?
アレルギーまでいかなくても、ちょっと心配があるという方は?
そんな方たちにむけた記事です。
アレルギーの種類の確認
貴金属(ジュエリー)に使われる金属は主に
・プラチナ
・ゴールド
・シルバー
・銅(主にゴールド、シルバーの割金に使用)
・パラジウム(おもにプラチナ、ホワイトゴールドの割金に使用)
・ロジウム(主にシルバー、ホワイトゴールドのメッキに使用)
・コバルト(主にプラチナの割金に使用)
・ニッケル(主に安価なアクセサリーのメッキに使用)
この辺りになるでしょうか。
このほかにも色々な金属が考えられますが、微量ですので、とりあえず無視します。
*割金(わりがね)とは混ざっている金属のことです。
18金には75%の金と、25%の銀と銅が混ざっています。
この銀と銅が割金です。
まずはご自身がどの金属に対してアレルギーを持っているか、です。
過去にシルバーのリングを着けていて、かぶれたことがあるとします。
それが純銀のリングでしたら、100%シルバーが原因ですが、950や925ならば、それは”シルバー”に反応したのか、割金の”銅”に反応したのか分かりません。
もしかしたらシルバーにメッキがかかっていたのかもしれません。
それがニッケルメッキなのかロジウムメッキなのか・・・。
自分はシルバーがだめだと思っていたら、別の金属が原因だった。など、意外と勘違いしていることはあるかもしれません。
まずは自身の反応する金属をなるべく正確に知ることです。
特に割金には注意が必要です。
一般的にアレルギーの多い金属は?
自分の反応する金属はちょっと良くわからない。
けどどんなものに多いのかは、とりあえず知りたいですね。
ジュエリーに使われる金属で、アレルギーの出やすいものとして
ニッケル、コバルト、パラジウムなどは有名です。
逆にアレルギーの少ない金属は、
チタン、銀、金などです。
え?と思われた方もいるかもしれません。
シルバーはアレルギーが出やすい、とよく聞きますが逆です。
純銀はアレルギーが出にくい金属です。
しかし中に入っている割金(銅など)はアレルギーが出やすい金属です。
最近はチタンのアクセサリーや、サージカルステンレス(医療用のステンレス)などのアクセサリーもありますね。
この辺りはやっぱり安心だと思います。
*上記はあくまで一般的に出やすい、出にくい、というものです。
アレルギーはやっぱり個人の体質ですので、参考までにとどめてください。
金属以外が原因の可能性
幅広のリングなどは汗もかきやすいです。
それが原因であせもなどになることもあるかもしれません。
またリング内側に汚れなどがたまっている、ピアスの針が汚れていて炎症などになる、などは結構起こりそうな話です。
ジュエリーの汚れはほとんどが皮脂やハンドクリームによる油汚れです。
洗浄は台所用の洗剤などでOKです。歯ブラシでシャカシャカ洗ってください。

こんなデザインは汚れも少したまりやすそうです。
たまにはお手入れをしてあげたいですね。
結婚指輪などの場合には・・・
何十年と身に着ける指輪ですので、失敗できません。アレルギーの心配があれば、やはり正確に知っておいた方が良いと思います。
金属アレルギーを正確に知るには、皮膚科に行き「パッチテスト」という検査を行います。多くの皮膚科で行ってくれると思います。大体料金は1000~3000円ほどが多いようです。
以前、クルールでもお客さまからご結婚指輪を制作する際に、「以前リングでかゆくなったことがある」とご相談を受けました。
色々とご説明をいたしまして、最終的には皮膚科を受診されました。結果、貴金属のアレルギー反応はなく、安心して制作、着けていただく事ができました。
少し、金額がかかったり、面倒もありますが、やはりウェディングリングの場合には、ご不安がある方にはパッチテストをオススメいたします。
金属アレルギーの対策
反応が出る金属がはっきりとわかれば、対策ができます。
プラチナやゴールド、アレルギーの出る金属を避けて選べば良いですし、
割金が原因ならば、純プラチナ、純金での制作、割金の変更、あるいは肌に触れる部分だけ、反応の出ない金属にする、などなど。
ここは一から制作するオーダーならでは、あらゆる提案がご用意できます。

逆にすべての金属に触れてしまうリング。しかも幅広。
まとめ
アレルギーが出たら、まずジュエリーをキレイに洗ってみてください。
それでだめなら着用を控えましょう。
ただ原因となる金属は【割金】や【メッキ】など、いくつか可能性がありますよ。
ウェディングリングの場合にはパッチテストがおススメです。
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