東京オリンピックもついに閉幕いたしました。
人が一生懸命な姿は美しいですし、
「全てをここに懸けてきた感」は心動かされるものがあります。

という事で今日は貴金属装身具製作技能士のお話。
以前にも一度記事を書いたこのタイトル

貴金属装身具製作技能士

ジュエリー制作に関わる知識、技術を測る試験です。
こちらの試験が8月末に実施されるのですが、
今回はウチのスタッフM(愛車が”ギリ”合法)が2級試験を受けます。

技術的な面はさておき、今回はメンタル面でのお話。

何のための試験なのか?

技能試験に限らず、色々な試験でははっきりと合格、不合格が
決定付けられます。

もちろん合否は大事なところですが、根幹的な部分ではありません。
あくまでも最も大事なコアは「試験の時点でどれほどの実力を有しているのか?」です。

それを測るために試験をするわけです。

オリンピックで言えば、(現時点での)お互いの実力を決するために試合をするわけです。

つまり試験はその時点での知識、技量を測るために行います。

試験勉強のやり方

具体的にどういう練習をするのが良いのかは以前の記事を参考にしてください。

この貴金属装身具製作技能士の実技試験に合格するためには
「時間内に」「一定以上の品質で」作ることが必要です。

そのために製作方法を考えたり、道具を工夫したり、手順を変えてみたり・・・
これを考えることに価値があります。
この想像力、発想力が技術をさらに押し上げます。

言われたように作る、指示通りに作るのは単純に”器用さ”だけあればできます。
「この道具で、こんな風にして、こんな感じに仕上げてね」
「了解です!」
という具合。

しかしそこに想像力、発想力が加わって、技術力になります。

なので、
【試験課題をうまく作る方法!】
【誰でも簡単! 合格のコツ!】
みたいな動画(あるのか分かりませんが)を見て、合格することにはあまり意味がありません。
もちろん不合格になっても意味はないと思います。

いわゆる使えない技術になりがちです。
そこからヒントを得て今後に活かす、という事もあるでしょうが、
それならせっかくの試験の練習の時でなくてもいい。練習時間がもったいない。

自分もスタッフMには極力具体的なやり方を教えてません。
何も教えない職人気質、見て覚えろ的なのではなく、
本人が実力を上げるためにベストな言動は何か、という事を考えてです。

簡単に覚えたことは簡単に忘れる

持論です。
これは自分に当てはめてもそうなのですが、この通り。
見聞きした瞬間は、効率よく実力が上がった気分になるのですが、
実際はまずそうじゃない。
それに簡単に覚えられることは、大体だれでもできるので、あまり価値もない。


無駄に下級生はボール拾いしてろとか、
皿洗い何年とか、ただ苦労することに意味はないと思いますが、
実力を上げるためには適切な苦労が必要だと思います。

仕事が終わった後に練習しています。

つまり試験課題を合格基準で作るために、
練習して、考えて、練習して、想像力や発想力を伴った技術力があがる。
このことが試験を受けることによる、一番の恩恵です。

さらに言えば、その後の仕事の中で、その技術力を活かすこと。ですね。

努力するという事

何だかテーマが重くなってきました・・・。

イチローは現役時代に
「練習を努力と感じているうちは厳しいと思います。」
的な事を言ってます。

イチローが言うと、何でもすごく聞こえてしまいますが、
練習をあまり苦に感じなかったら、凄いですね。

一方で
「僕もグラウンドに向かいたくない、という気分の時もあります。」
的な事も言っています。


決して
「つらいけど頑張る!」
みたいなメンタルで続ける事もなく、

「ずっと楽しいわけでもないぜ」
という事だと思います。

自分がやると決めた事に、真摯に向かい合う、という気持ちが大事でしょうね。


技術や気持ち(メンタル)をまさに極限まで磨き上げ、
たった一度の舞台でそのすべてを発揮する。

これは練習による実力、成果を出すというより、
そこに懸けてきた誇りが出ていたように思います。

貴金属装身具製作技能士 メンタル編のまとめ

どれだけ練習したか、合否がどうだったかも大事だけど、
どんな練習をしたか、試験時点でどんな実力を身に着けてきたか

が大事だと思うよ!

ジュエリークルールは愛知県豊橋市にあります、手づくりジュエリーのお店です。


店内工房で加工される、

オーダー制作修理リング制作体験などなど、

ご婚約、ご結婚指輪などのウェディングのご相談もお気軽にどうぞ。


過去の制作事例は「ギャラリー」をご覧ください。

お問い合わせは「こちら」からお気軽にどうぞ。