台風10号(krosa:クローサ)がついに来ました。

自転車ほどの速度だそうで、でかくて遅い台風。

なにもお盆期間に来なくてもねぇ。

 

 

ということで今日は、やたらと長いこのタイトル。

彫金のお話しで少し触れたこの貴金属装身具製作技能士についてです。

貴金属装身具製作技能士とは?

ジュエリー制作に関わる技能検定です。

この仕事をするのに必要な資格ではありません。なくても仕事は出来ますので、

あくまでも技能、知識を測るための検定です。

難易度によって1~3級があり、2日にわたって実技と筆記試験があります。

ちなみにこれは国家資格です。

 

 

受験資格は?

誰でも受けられるかというと、これがなかなか厳しい。
もちろん未経験で受験しても、まず合格は難しいでしょうが。

下記のどれかを満たしていればOKです。

1級
  • 実務経験のみで7年以上
  • 専門学校で関連する学科を修了後、実務経験が6(4)年以上ある者
  • 2級資格を取得してから実務経験が2年以上ある者
  • 3級資格を取得してから実務経験が4年以上ある者
2級
  • 実務経験のみで2年以上
  • 専門学校で関連する学科を修了した者
  • 3級資格を取得してから実務経験が0年以上ある者
3級
  • 検定職種の実務経験を有するもの
  • 厚生労働大臣の指定を受けた否かにかかわらない専門学校在学及び修了した者

 

3級はだれでも受けられるのかな?
専門出てない人は1級取るのに最短で4年かかりますね。
(2年で2級取って、2年後に1級)

ちなみに自分が仕事を始めた時、約22年前は1級で12年の実務が必要でした。(専門学校などは出ていませんでした)
途中で改正があって現在の7年に変わった時、
自分の実務経験が10年の時に取りましたが、それでも長いよね。

 

筆記試験内容は?

筆記試験は製作に関する知識はもちろん、宝石、法令、など結構幅広い知識が必要です。

ただ、過去問をちゃんとやっていけば、よほど大丈夫だと思います。

100点中60点で合格です。

 

ちなみに自分は一度筆記に落ちてます。正直舐めてました。

仕事の出張も重なって時間もなく、サラッと過去問見直す程度でいったら56点。泣いた。

次の年、猛勉強していきました。96点。やっぱり勉強は大事。

自分は5年分ほど買いました。もう少し買っておけば、
見たことある問題が結構な割合で出てくると思います。

 

 

実技試験の内容は?

 

7時間でこんなペンダントをひとつ作ります。(1級)

2級はよく知りませんが、ちょっと簡単なものをやっぱり7時間で作ります。

この実技がそんなに簡単ではないでしょう。

もちろん技術次第ですが、基本的な技術が求められています。

糸鋸を使った正確な切り抜き、ヤスリ掛け、ロウ付け、刻印、石留めなどです。

私見ですが、本当に基本的な作業(よくやる作業)を
正確にそれなりのスピードで出来るか、を試されていると思います。

 

図面にデザインと寸法が記してあって、誤差はプラスマイナス0.1mmまでです。

現在仕事をしている人で【誤差0.1㎜】と聞いて、
「厳しいな…」と思った人はちょっと大変かもしれません。

範囲で0.2㎜におさめれば良いなら、そんなに大変な事でもないですね。

 

—実際に試験を受ける方へ————————–

これは一度制作しておいた方がいいです。
・寸法に納める精度で作ってどのくらい時間がかかるのか?
・どこで失敗しやすいか?時間がかかりやすいか?
・どんな道具が必要なのか?
などなど。

実際は18金で作りますが、練習はシルバーでいいです。

自分は3個ほど練習で作って、時間割りなども作りました。

同じ試験会場には10個くらい作ったという方もいましたが、
制作が安定するまで作れればいいですね。

必要な工具などもちゃんとチェックしておきます。

リストに載ってない工具は当日試験官に承認を受けます。

ちなみに上に載っている、
矢坊主とスケールとテンプレートと手万力はすべてOKでした。

 

 

試験の合格率は?

色々と調べてみてもイマイチはっきりしないです。

が、情報を総合すると

40%(1級)~60%(3級)位っぽいです。

自分が受験した時はもう少しみんな受かってたと思いますが、
結構低いですね。

筆記は大丈夫でしょうが、実技ですかね。

 

昔同僚に聞いた話で、
「3回落ちたら、一生受からない」と同僚の師匠が言っていたと。

分かる気がします。

 

結局持ってるとどうなるのか?

特にどうもないです。

個人的な意見ですが、

この資格を持っているから腕の良い職人さん、ではないと思います。

でも、腕の良い職人さんは持っている人が多いのかな、
という感じです。

自分もそうですが、受験のために勉強した経験、
これは間違いなくプラスになりました。

 

まとめ:貴金属装身具製作技能士とは

ジュエリーの知識と制作技術を試す、

1~3級がある国家資格で、50%前後の合格率です。

仕事に必須じゃないけど、
持っているとちょっと”ハク”がつく資格なので、
仕事してる人は取ったらいいんじゃない。

合格するとこんなバッジももらえます。

 

(/ω\)クルールの一級技能士が作ったジュエリーはこちら(/ω\)

 

ジュエリークルールは愛知県豊橋市にあります、手づくりジュエリーのお店です。


店内工房で加工される、

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過去の制作事例は「ギャラリー」をご覧ください。

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